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テクノロジー
2017.11.01

次世代コンビニで店員は消えるのか?
「Amazon Go」や「ファミマミライ」から見るコンビニの未来

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米・オクスフォード大学のマイケル・A・オズボーン博士が2014年秋に発表した論文『未来の雇用』では、米国の雇用者の47%が10年後に職をなくすと記されており、日本でも話題となった。

なくなる職業の中には「レジ店員」が含まれており、ツイッターなどで「コンビニ店員は必要なくなるのか……」という書き込みを目にすることがある。

Web通販サービスのアマゾンが、無人のコンビニを出店

そんな中Web通販サービスのアマゾンが、2016年の12月にAmazon本社内で「Amazon Go」をオープンした。「Amazon Go」はノンオペレーションのコンビニで、これまでのスーパーやコンビニとは違い店員が存在しない。客は商品を手にとって店から出るだけで購入が完了してしまうという、次世代のコンビニとなっている。すでにその存在を知っている人も多いかもしれないが、先ずはアマゾンが公開している動画を見てみよう。

 

専用のアプリで入店用のバーコードを表示し、入り口にあるゲートにそのバーコードをかざして入店。棚から欲しい商品を持ち上げるだけで、アプリのカートに商品が自動的に追加される。購入をやめる場合は、一度選んだ商品を棚に戻すだけでその商品はアプリのカートから自動的に削除される。入店の際同様にゲートを通って外に出ると、自動で決済が完了する仕組みだ。一般客の利用はまだだが、すでに店員のいないコンビニは存在している。

中国でも無人コンビニが登場。盗難防止に顔認証や電子タグ管理

お隣の中国でも店員のいないコンビニが登場している。広東省の中山市で創業した「BingoBox」は、昨年8月に1号店の運営をスタート。また、今年の7月には家具販売大手の居然之家が北京で「EAT BOX」という無人コンビニを開店したと様々なメディアで報じられている。

 

仕組みとしてはどちらも電子タグが取り付けられた商品を無人レジへ持って行き、「Alipay」や「WeChat Pay」といったスマートフォン決済で支払いを行なう。

電子タグとは、電波を利用して非接触で個体を識別するツール。バーコードのように貼付されれば、いつ、どこに、何の商品が、どの程度流通しているかを簡単に把握できるようになり、業務の効率化が図れる。

無人のコンビニと聞くと万引きなどの盗難被害が心配されるが、「BingoBox」では180日で、延べ5万件以上の取引を行っているが、悪意のある盗難や破壊は一度も発生していないという。

顔認証で作成したアカウントや「WeChat Pay」などのスマートフォン決済アカウントで本人確認を行うことで入店が可能となり、電子タグを取り付けられた商品は支払いをしないと店舗から出られない仕組みが奏功しているのではないだろうか。商品を未清算のまま持ち出そうとすると警告され、万が一持ち出されてしまってもアカウントが紐付いているため、警察に通報されてしまう。モバイル決済利用者が98%にも及ぶ中国だからこそできる仕組みであるとも考えられる。

日本でも進むノンオペレーション

「Amazon Go」や、中国での無人コンビニ運用開始のニュースは多くのメディアで話題となったが、日本でも有人店舗からシフトする形で、徐々にノンオペレーションを浸透させようという動きが見られる。CDやDVDのレンタルを行っているTSUTAYAやスーパーマーケットでは商品のスキャンから会計までを客が行うセルフレジが導入され始めている。

また、2015年の2月から今年の3月まで秦野市本町公民館の図書室で、入退室から貸し出し・返却に至る全工程を完全機械化した無人貸し出しサービス「スマートライブラリー」の実証実験が行われた。

これらの取り組みから、普段我々が生活している中にも無人化の波が訪れていることが感じられる。さらに経済産業省が今年の4月に公表した「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」も、ノンオペレーションを後押ししている。

この「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」では、2025年までに、セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ、ニューデイズで、全ての取扱商品(推計1000億個/年)に電子タグを貼付け、商品の個品管理を実現するという。

すでに取り組みは行われており、コンビニ大手のローソンとパナソニックが2016年の12月から今年の2月まで、経済産業省支援のもと、商品に電子タグを付与することで無人会計を行なう実証実験を行った。

 

客は電子タグのついた商品をカゴに入れ、専用の装置(レジロボ)にカゴを置き、画面に表示された購入品目の一覧を確認すれば、あとは現金、クレジットカード、電子マネーなど、通常のコンビニで出来る手段で支払うだけ。ローソンとパナソニックは自動袋詰め装置の開発も進めており、客が精算にあたって手を動かすのは「装置にカゴを置く」「画面を操作して支払う」「ビニール袋を手に取る」という3回だけとなっている。

次世代コンビニ競争激化。音声認識を使った取り組みも

上記のようにローソンでは無人で会計を行えるような実証実験を行ったが、その他の大手コンビニでも次世代型と呼ばれている店舗が増えている。

今年の6月にファミリーマートが次世代型店舗「ファミマミライ」のコンセプトムービーを公開した。ファミリーマート、伊藤忠商事、LINEの3社が業務提携し、LINEのAIプラットフォーム「Clova」などを活用したものとなる。

 

コンセプトムービーの内容を見てみると、「あなたにオススメ ハムチーズたまごサンド」と表示されたり、外国人に対してAIが店内ディスプレイに英訳してくれたりする。

飲料コーナーにはキャンペーン商品が置いてある。最後の1本だ。それが手に取られて陳列棚に商品がなくなると、商品がオート補充される。そして、店員に追加注文を促す。会計ではバーコードを使わず、画像認識を用いて合計額を出し、支払い方法にはLINE Payが選択できるようだ。

このムービーはあくまでコンセプトなのでどこまで実用化できるか未定だが、近い将来実現しそうなことばかりで今後のコンビニの利便性向上に期待が膨らむ。

この「ファミマミライ」が「Amazon Go」のコンセプトムービーと異なるのは、商品の会計やおすすめ商品の紹介などは自動化されているものの、オペレーターが登場しているところ。

少子高齢化による労働力人口の減少で人手不足が深刻化している日本のサービス業では「Amazon Go」のように完全無人化が一つの答えになるかもしれない。しかし、コンビニはものを売るだけの場所ではないと考える人もいるのではないだろうか。

コンビニ店員は観光客に道案内をすることもあれば、トイレの場所を教えることもある。地方のコンビニに行くと、店員と雑談することを楽しみに来る常連客も見受けられる。

最近ではコンビニの中にイートインスペースを設けたり、女性専用の化粧室を設けたりして集客を行っている店舗も多く見かける。「Amazon Go」と「ファミマミライ」のように、店員が存在するかしないかといった観点の先にある“どのような付加価値をつけられるか”が、次世代コンビニ競争で勝ち残るポイントとなっていくだろう。

JBPRESS

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