(1)正しい改善活動の考え方・進め方の共通認識

 改善の考え方がそれぞれで自己流であれば、狙った成果を出すことはできない。改善活動をスムーズに進めるためには、改善活動の考え方・進め方の正しい知識を身に付け、各メンバーが同じ考え方を共有する必要がある。

 そのため、研修・eラーニングなどにより自社の改善活動の考え方・進め方を教える場を用意することも業務改革推進部門に求められる活動となる。

(2)改善を実践する場づくり

 改善活動は日常業務にアドオンされた取り組みと捉えられることが多いが、むしろ企業競争力を向上させるための一つの業務として捉えるべきである。

 だが、そうはいってもその掛け声だけでは、全ての部門で改善実践されないことは、過去の経験上からも明らかである。そのため、改善活動を実践させるには、改善活動に必要な時間を確保するともに、「取り組みを行うための動機付け」が必要である。

 例えば、人事評価に改善活動の取り組みを反映させることや、月に何時間以上の改善活動時間を計画し予実管理していくなど、改善活動が定着化するまでは、半ば強制的に改善を実践する場をつくる必要がある。

 また、実践の場だけでなく、好事例の紹介、表彰などを行い、称賛する場をつくることも定着化に向けて有効である。この改善を実践する場づくり、称賛する場づくりが業務改革推進部門に求められる活動となる。

(3)改善活動のモニタリング

 各部門に完全に改善活動を任せていては、活動の取り組み状況や成果が部門によって大きく差が出てくる。そのため、各部門の今期の計画(取り組み内容・目標成果)とその進捗を定期的にモニタリングすることも業務改革推進部門に求められる活動となる。

 実務的には、期初に改善活動計画を提出してもらい、取り組み内容の確認・アドバイスをしながら計画を確定する。四半期や半期に一度、進捗報告をしてもらい、改善が必要であれば、指導やアドバイスを行っていく。年度終わりには成果を確認し、称賛する場を設定することを年次サイクルで回していくことが基本となる。

 以上の3項目は、1回限りの活動ではなく継続的に行い、定着化・レベルアップを図っていく必要がある。また、ボトムアップの改善活動を行う中で、プロジェクト対応する全社課題を抽出していくことも業務改革推進部門に求められる役割となる。