あらゆる領域で始まる規制活用DXが日本を変える

RegTechがもたらすポジティブな変化(後編)

森川 直樹/2019.2.14

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 前回は「そもそもリーガルテックやレグテックとは何なのか」という話題に終始したが、今回はより実践的な話題、ビジネス面で活用が進んでいる実態についてだ。どこよりも顕著だという金融業界のレグテック、そして今後すべての業界に必ず問われてくるはずのリーガルテックやレグテックについて、佐々木氏に話を聞いた。

前編の記事はこちら
DX時代に求められる、「規制・法律」との幸福な付き合い方

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55170

AOSリーガルテック株式会社 代表取締役社長 佐々木隆仁氏

金融業界で顕在化したレグテックの意義と価値

 前回、佐々木氏が示してくれたのは、業種を問わずリーガルテックやレグテックが必要になっているということ。そして、その活用が単なる守備的な効果にとどまらず、企業価値を上げていく効果につながる、という事実だった。だが、特定の産業界、すなわち規制や法の遵守の重要性が突出しているところでは、すでにレグテックなどがなくてはならない存在にまでなっているという。つまりは金融業界だ。

「金融領域ほど多くの規制やルールに縛られている産業はありません。しかも、その内容は国や機関によってさまざまですから、国境や領域を越えるような取引を公正に行う場合、複雑さは際立っていきます。その上、日本国内だけを見ても目まぐるしいスピードで規制や法律が改正されていきますから、その都度対応もしなければいけない。対応不足や違反があった場合の損失も、他の業種の比ではないほど大きいので、金融機関は何重ものリスク対応を常に求められているわけです」

 こう語った佐々木氏は、著書『レグテック』にも記載されている「金融機関におけるレグテックのソリューション」を示す。

「大まかに分けても、金融機関は7つのリスクに対応しなければいけません。金融市場取引におけるコンプライアンス、新規制の把握と影響の分析、規制当局への報告、リスク管理とストレステスト、新規顧客とKYC(顧客確認手続)、モニタリングの実施、マネーロンダリング防止とテロ資金供与対策です」