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イノベーション
2018.10.18

なぜ農業? 自動運転の異端児エヌビディアの妙計
IoT時代、<IT企業に求められる「品格」や「矜持」>が変わる

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ソーシャルの重要課題である「農業」のイノベーション

 本題に立ち返ろう。今なぜ、エヌビディアが「農業」なのか。

 日本の場合、2015年、農業人口(農家世帯員数)は488万人と、10年前より41.7%、5年前より25.0%と減少が続いている。さらに深刻なことに、農業を主ななりわいとする基幹的農業従事者に占める65歳以上の割合が64.6%と、30年前の3倍以上の高比率になっている*2

 日本国内の食料自給率が、カロリーベースでわずか38%にすぎない*3ことを考えると、農業人口の増加と若返りは喫緊のソーシャル課題なのだ。

 エヌビディアの足下の米国にしても、そもそも農業人口比率が約2%と相対的に低いことに加え、基幹的農業従事者の高齢化や農村の過疎化は日本と同様で、かろうじて移民が労働力の不足を補っているというのが現状だ。決して健全な事態とは言えない。

 エヌビディアが得意とする自動運転技術を、都市モビリティの枠組みの中に閉じ込めず、農業のように問題山積の産業分野に適用範囲を広めることで、企業収益の向上のみならず、ソーシャルの課題解決に貢献できる。

 農業の現場に自動運転の無人農業車両が投入される日のことを想像してみよう。

 高齢化により生産性が低下した現場を再び活性化させることが可能になるだけでなく、農業に従事したいと考えるセカンドライフ世代のシニアや脱サラの若者に対して、行政や企業が無人農業車両の「自動運転オペレーター」として参画を促すことで、心理的・経済的なハードルを下げることにもつながるのではないだろうか。

*2:農林業センサス(http://www.maff.go.jp/j/tokei/census/afc/index.html
*3:農林水産省(http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/011.html

マーケットから改めて問われるIT企業の「品格」や「矜持」

 自動運転は「技術の確立」という観点では、徐々にではあるが、幾多の課題を克服しつつあるように見える。

 しかし、その先にある「法律や運用環境の整備」では、まだまだ端緒についたばかりである。

JBPRESS

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