前回まで、イノベーションの「鶏卵問題」(ニーズが先かシーズが先か)に取り組むリーンスタートアップ手法、その中心にある「アジャイル開発」の歴史、そして、日本企業での課題について考えてきた。

(バックナンバー)
第1回「企画と開発が責任を押し付け合う会社の前途は暗い」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51448
第2回「『開発手法』だったアジャイルはここまで進化した」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51870
第3回「ビジネスに追いつけない日本のシステム開発の構造欠陥」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/52025

 イノベーションの創出には、スタートアップのような「小さなチーム」を作り、潜在顧客のニーズ探索と小さな製品開発から始めることが必要である。これは、欧米企業がシリコンバレーから学んだことであり、既存の大企業でもこの小さなアジャイルチームを作る動きが活発化している。

日本の大企業でイノベーションを創出するには

 前回(「ビジネスに追いつけない日本のシステム開発の構造欠陥」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/52025)は、日本ではどうしてもウォーターフォール型の開発と、トップダウン組織構造、発注構造から抜け出せずにいる現状も合わせて述べた。今回は実質的な提言を行いたい。

 とはいっても、なかなか既存の文化、組織の中でスタートアップのような活動を行うことは難しい。意思決定のスビードをあげ、試行と学習ループをすばやく回すことは、大企業のこれまでの管理の仕方と組織間のしがらみの中では難しい(年次予算計画との整合、企画と開発の分離、予算承認、調達部門との関係、品質保証部門との関係、などなど)。

 以上を踏まえて、既存大企業の中で新しい変革を行っていくための、具体的な提言を行う。提言は次の7つである。