【クレディ・スイス - 統合バンキングモデル】

 現在のクレディ・スイスは、プライベート・バンキング、インベストメント・バンキング、アセット・マネジメントの3事業を世界中で展開し、革新的な金融商品・サービスを世界中の法人顧客、富裕層個人顧客、スイス国内の一般個人顧客に提供する世界有数の金融グループだ。
 そのクレディ・スイスの成長の基盤となる戦略は「統合事業モデル」である。統合事業モデルとは、プライベート・バンキング、インベストメント・バンキング、アセット・マネジメントの3事業を一つの銀行に統合することによって、クレディ・スイスが各分野でそれぞれ培ってきたノウハウや専門知識をすべて結集し、顧客にクレディ・スイスの持つ全てを提供しようというコンセプトである。ロゴや社名の統一も、すべてこのコンセプトの実現のために行なわれた。この方針の顧客へのメリットは甚大で、例えば、プライベート・バンキングの顧客は単なる富裕層ではなく、企業家として経営する会社のファイナンシングなどに頭を悩ませる場合も多い。このようなケースでは、プライベート・バンキング部門の担当者はインベストメント・バンキング部門の専門家と協力し、顧客の個人資産と企業財務の両方をカバーするソリューションを提供することができる。この他にも、アセット・マネジメント部門の開発した投資商品を、プライベート・バンキング部門を通じて個々の富裕層顧客のニーズに合った商品にテイラーメードで作り上げるなど、顧客ニーズにより柔軟に対応することができる。