「嘘も百回言えば真実となる」――。ナチス体制下のドイツで宣伝大臣だったゲッベルスの有名な言葉だ。 商品券10万円問題で窮地に追いやられている石破茂首相の「会食のお土産として渡した。政治活動でもなく、政治資金規正法上も問題はない」という釈明も百回続ければ真実になるのだろうか。答えは否だ。それは会合に出席した15人の新人議員全員が、白封筒を返却した事実が「真実」を物語っている。 政治資金問題が国会でクローズアップされている時期に、訳の分からないカネでつまずいた首相の行動は“自爆”としか言いようがない。政治の師と仰ぐ田中角栄元首相の業績に追いつくどころか、負の「金権」だけを真似て沈もうとしているかのよ