淡路島の南端に1967年、丹下健三の設計による「戦没学徒記念館」が完成した。財団法人動員学徒援護会が建設したものだ。 丹下はこの建築を建築専門誌で発表しなかった。作品リストにすら載せなかった。建築としてのクオリティーは高く、伏せたいプロジェクトには思えない。 丹下の右腕だった神谷宏治が後に語ったところによれば、竣工式典に右翼系の政治家が参加することを知った丹下が参加を拒否。その流れで雑誌発表もされなかったという。両親を戦時下に失った丹下の平和に対する意識が伝わるエピソードだ。 次第に入館者が減少し、1994年に閉鎖。その後は長く廃墟状態となっていた。2002年に藤森照信・丹下健三共著による書籍
知る人ぞ知る丹下健三の傑作(2)近年まで「丹下建築」と知られていなかった理由とは
戦没学徒記念 若人の広場
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