第1回 「張作霖爆殺事件」日本軍による暗殺とバレた銭湯でのマヌケな失態からつづく。 年が明け、一日も早い報告を待っている天皇は、侍従長や侍従武官長らに盛んに訊ねますが、田中義一首相はまた知らん顔をしている。そうこうしているうちに、真相はどんどんばれてきます。 奉天の林久治郎(はやしきゅうじろう)総領事が事件を調査し、銭湯での証言なども出てきて、陸軍の謀略ということがより具体的になってきますし、首謀者は関東軍参謀の河本大作(こうもとだいさく)大佐であることもはっきりしてきました。 何人かの中国人に彼が機密費を渡し、もっとも金に困っていそうな阿片中毒の男二人を使って列車を爆破させたように装わせ、同時
張作霖事件、「陸軍の関与なし」の報告に昭和天皇が激怒
――半藤一利が語る、昭和の幕開けとともに勃発した大事件(2)