前回(11月12日掲載)の「館は本当に館なのか?」で、立川市所在の伝立川氏館や国立市の谷保城(三田氏館)は、領主の館などではなく、実際は室町後期〜戦国初期の陣であろう、という話を書いた。筆者がそのように考える根拠は前稿に示したとおりだが、実は同じような例は他にもある。あるどころか、枚挙に暇がないのだ。 今回は、そうした「問題な館」の中から、埼玉県川越市所在の河越館を紹介しよう。河越館は、入間川の西岸にあたる川越市上戸にあって、中世河越氏の館跡と伝わっている。 河越氏は、平安時代末期に武蔵で勢力を張った桓武平氏秩父氏流の一族で、畠山氏や江戸・葛西氏などと同族だ。鎌倉幕府では武蔵の有力御家人として
中世河越氏の館跡「河越館」が問題の理由、現代残っているものは室町後期〜戦国期に築かれたものだった!?
東京近郊の「問題な城跡」を歩く(11)河越館
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