原子力の悪夢――。 米タイム誌の1979年4月9日号は見出しでそう叫んだ。 ペンシルベニア州スリーマイル島にある原子力発電所の原子炉2基の片方が事故を起こした。 放射能を帯びたガスが漏れ出し、州知事は発電所から半径5マイル以内に住む高齢者など脆弱な人々全員に避難命令を出した。 結局この事故によるけが人はおらず、命を落とす人もいなかった。 それから20年後に本誌エコノミストが同州内陸部を訪れたところ、事故が起きなかったもう1基の原子炉が依然順調に稼働しており、地元から強い支持を得ていることが分かった。 この原子炉は2019年に運転を終了したが、安全上懸念があったからではなく、安価なシェールガスと