英国は9月30日、国内に残った最後の石炭火力発電所の運転を終了した。運転を終了したのは、エネルギー大手ユニパーがイングランド中東部ノッティンガムシャー州で運営するラトクリフ・オン・ソア発電所だ。 いわゆる先進7カ国(G7)は、脱炭素の潮流の中で脱石炭火力を目指しているが、英国が一番乗りでそれを実現したことになる。 英国では2010年代前半まで、石炭火力はガス火力に次ぐ電力源であり、総発電量の3割程を占めていた(図表1)。【図表1 英国の電源構成】 しかし脱炭素化の流れを反映して、2015年12月のケリングリー炭鉱の閉鎖を皮切りに国内にあった炭鉱の閉鎖を進めるとともに、石炭火力の削減に取り組んで