故ヘンリー・キッシンジャー氏は昨年7月、北京に向かった。人生最後の訪中だった。 習近平国家主席に届けた数々のメッセージのなかには、人工知能(AI)に潜む壊滅的なリスクについての警告が盛り込まれていた。 それ以降、米国テクノロジー企業の経営者やかつての政府高官らは中国側の同じ立場の人々と「キッシンジャー・ダイアログ」と題した非公式会合をひそかに催し、AIの危険性から世界を守る方法についても時間を割いて話し合っている。 米国のジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が8月27日から29日まで北京を訪れた際にも、米中政府高官は(ほかの多数のテーマとともに)この問題について議論したと考え