筆者が、人から聞かれて答えに困る質問に「好きな城はどこですか?」というのがある。 城の面白さとは、一つ一つが他と違って個性的であることだと思っているので、どこかの城を他と比較して「A城の方がB城より面白い」とか「B城の方がC城より好き」みたいに感じたことがないのだ。強いていうなら「そのとき見ている城がいちばん好き」となるのだが、この答えは少々キザで、口にしにくい(笑)。 とはいえ、歩いていて「楽しいなあ」「来てよかったなあ」と、しみじみ感じた城はある。その代表が、伊勢の松坂城だ。 松坂城を築いたのは蒲生氏郷である。近江に生まれた氏郷は、織田信長・豊臣秀吉に仕えて頭角をあらわし、天正16年(15
戦術家・蒲生氏郷が築いた松坂城が「来てよかった」と思える理由、縄張の緻密な技巧性と石垣の「すっぴん」の美しさ
観光施設や復元建物などの余計な設備がないからこそ味わえる、城本来の魅力
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