静かな選挙戦だけに恐らく気づかれていないだろうが、保守党政権が14年続いた英国では労働党が勝利を、それも過去の記録を更新するような大勝利を収めようとしている。 本誌エコノミストが大事にしている考え方に完全に同意する政党はない。この国における経済面のコンセンサスは、リベラルな価値観――自由貿易、個人の選択、国家介入の制限――から離れてしまった。 だが、選挙とは可能な範囲内で最善の選択を行うことを目指すものであり、今回の最善の選択がどのようなものであるかは明らかだ。 7月4日に投票する権利がもし本誌にもあったなら、本誌も労働党を選ぶ。 なぜなら、英国が直面している最大の問題――経済成長が慢性的に実