倹約が善行であるなら、米国は国家予算で悪行を働いていることになる。 ここ12カ月間で連邦政府が使った金額は、一時的な要因を除けば徴集した税金の合計額を2兆ドル――対国内総生産(GDP)比で7.2%相当――上回った。 通常であれば、このように大きな額の財政赤字は景気後退とそれに伴う景気刺激策の結果だ。 ところが今日の派手な借り入れは、失業率が4%を下回る期間が半世紀ぶりの長さに達しているにもかかわらず行われている。 かつては財政赤字がGDPの3%相当額を下回ることが健全な財政運営の証とされたが、この基準は2015年以降、一度たりともクリアされていない。 米国の純債務残高の対GDP比は、恐らく来年