海外から世界的名画が来日する大型展は楽しいものだが、むしろ美術館の所蔵品を主体にした自主企画展にこそ「美術館の底力」が表れる。どのような意図や方向性をもってコレクションを形成してきたのか。そのコレクションをどう活用するのか。学芸員の企画力や展覧会にかける熱意はどれほどのものか。コレクション展は様々な力が垣間見えてくる貴重な機会である。 サントリー美術館で開幕した「サントリー美術館コレクション展 名品ときたま迷品」。テーマは「メイヒン」。メイヒンと聞いてまず思い浮かべるのは、国宝や重要文化財に指定されるなど誰もが芸術的価値を認める「名品」だろう。 だが、これまでほとんど注目されてこなかった知られ