日本銀行の植田和男総裁は、マイナス金利解除などの政策変更を行った3月の金融政策決定会合後の記者会見で、「正常化」という言葉を避け、「普通の金融政策」と言及した。 具体的には、今後の短期金利の設定の仕方について、「普通の短期金利を政策手段にしている他の中央銀行と同じように設定していく」と述べ、それを「普通の金融政策」とした。そして「緩和的な環境を維持するということが大事だという点は留意しつつ、普通の金融政策を行っていく」と繰り返している。 裏返すと、これまでは普通でない金融政策が行われてきたことになるが、それは日本経済が普通の状況ではなかったとの判断に立ってのことだろう。「普通」という言葉が出て