2月14日に台湾の離島、金門島周辺で起きた事件は、今後、大きな懸念の種になるかもしれない。中国の違法漁船が金門島周辺の禁止・制限海域に侵入したことで、台湾の海巡署(日本の海上保安庁に相当)の巡視船が追尾したところ、反転してきて接触、転覆し、乗船していた4人のうち2人が溺死した事件だ。この事件を機に、中国が金門島周辺でのパトロールを強化、19日には台湾の金門島観光クルーズ船の臨検を行う事態となった。これで金門島をめぐる中台の緊張は一気に高まり、台湾海峡の現状変化につながるのでは、と事態の推移が注視されている。 事件の概要を簡単に振り返ろう。 台湾の金門県とは、金門島(大金門島)を中心に12の島か