いまから12年前、2012年の第18回中国共産党大会で、習近平国家副主席(当時)が総書記(党トップ)に選出された時、多くの西側メディアが、期待感を込めて報道した。「中国経済の開放路線の推進役」「政治の民主化にも着手するであろう改革派」……。 私はそんな「楽観的な雰囲気」に逆らうように、「習近平体制は毛沢東路線に回帰していく」「中国経済は停滞に向かうだろう」と書いた。なぜなら、それまで3年間、北京に住んでいて、もしこの人(習近平副主席)が天下を取ったら、中国をどういう方向に導くだろうかと、想像し続けてきたからだ。 そして私の想像は、第18回中国共産党大会を人民大会堂で取材し、初めて習近平新総書記