その映像を見ていて、思わず目を疑った。これは、いかなるものの成れの果てだろう? 1月16日午前、スイスの寒村ダボスで行われた世界経済フォーラム(WEF)年次総会(通称「ダボス会議」)の開幕式。欧米の政財界のVIPたちを始め、1500人もの聴衆が集まった大広間の中央の壇上では、わざわざ遠く北京から駆けつけた、中国ナンバー2の李強首相が熱弁を振るっていた。 だが、聴いているVIPたちの、しらけ切った表情と、疑心暗鬼の眼。習近平政権の外交を評して、「戦狼外交」(狼のように吠える外交)と言われるが、彼らは壇上中央の弁者を、まるで「狼少年」のように見ているようだった。 思えば、いまから20年前、ダボス会