「もしコロナがなかったら、今、こういう仕事(金融関連)に就こうとも思っていなかったはずです。漠然と野球を続けていたかもしれないし、まわりに合わせてみんなが行くような業界に行っていたかもしれない。そういう意味では、結構大きなターニングポイントだった気がします」 大学入学当時を振り返り、松岡由機はしみじみとそう言う。大袈裟ではなく、人生観が変わるくらい悩み、葛藤した時間だった。「野球をやって何になるんだというのがわからなかったんです。それで何か得られるのかな、と。自分は今まで何不自由なく生きてきていた、本当に恵まれていたんだと痛感しました。その環境があるのが普通だと思っていたけど、僕に提供されてきた