「霧島のぶ子」という名前をご存知の方は、かなりの美術通でしょう。『窓際のトットちゃん』の舞台として知られる自由が丘に、「モンブラン」というケーキ屋さんがあります。その包装紙に描かれている国籍不明の女性が、自由が丘らしいおしゃれな雰囲気を醸し出しているのですが、描いたのは洋画家の東郷青児。 東郷がまだ20代後半だった頃、裸婦を描く際にモデルとした女性たちの中に「霧島のぶ子」という女性がいたかもしれません。 その雪肌で豊満な肉体は東郷の描く女性とは異なりますが、33歳で早世した同世代の洋画家、前田寛治の描いた「霧島のぶ子」の裸婦像が残っています。のちの「ブルースの女王」、淡谷のり子、10代の裸像です