震度7、マグニチュード7.3。 大地震から29年後の神戸市長田区に、1月2日昼、わたしはいた。駆け出しの新聞記者時代から20年、転勤でまちを離れた後もずっと付き合いが続いていた大切な取材先が亡くなったとの報をその日の朝に家族から受けたからだ。 1995年1月17日早朝、淡路島を震源として発生した大地震が神戸市内・阪神間を中心に約25万棟の建物を破壊し、6434人もの尊い命を奪った阪神淡路大震災。神戸市全体の全焼建物6965棟の7割近くにあたる4759棟が全焼したのが長田区だった。 わたしが赴任した2002年、甚大な被害があったJR新長田駅南地区には、更地に市の復興再開発事業の槌音が響いていた。