11月30日に公表されたユーロ圏11月消費者物価指数(HICP)は、前年同月比+2.4%と7カ月連続で伸び幅が鈍化し、2021年7月以来、2年4カ月ぶりの低い伸びとなった(以下、特に断らない限り前年比)。 食品、アルコール・タバコを除くコア指数も+3.6%と+4%を割り込んでおり、インフレ基調が失速していることは間違いない(図表①)。既に年内最後となる12月14日の政策理事会に関しては、2会合連続の利上げ見送りが既定路線と見られていたが、これを追認する結果と考えられる。【図表①】 もっとも、市場が織り込み始めている2024年4月前後の利下げは、まだ判断しかねる。 かねて欧州中央銀行(ECB)が