『大奥』で男女逆転の世が生まれるきっかけとなったのは、「赤面疱瘡(あかづらほうそう)」と呼ばれる、男性のみに感染する病気である。 実際の江戸時代では、「疱瘡」とも呼ばれる、天然痘が猛威をふるった。将軍といえどもその魔手から逃れることは難しく、家光も26歳の時、罹患した。『大奥』で赤面疱瘡にかかった家光は亡くなるが、史実では死線をさまよったものの回復している。(P79・竹村誠「赤面疱瘡と、江戸時代に猛威をふるった『疱瘡』」より) 中盤の医療編では、「大奥」が研究チームとなって、赤面疱瘡の解決策を見つけていく姿が描かれる。「大筋は最初から決まっていたんです。田沼意次の指揮のもと、大奥で研究チームを作