教室には15人ほどの生徒が集まった。担当教員が軽く授業の趣旨を説明すると、外部講師はなぜか無言で、ジェスチャーだけで授業を始める。無言だが、目はニコニコ笑っている。スクリーンには「みなさん、おはようございます。突然ですが、私の性別っていったいなんだと思われますか?」の文字。 髪型にしても服装にしても、見た目では判断ができない。20秒経過を知らせるタイマーが鳴ると、講師がついに口を開く。「どうも、はじめまして、京都から来た土肥いつきと申します」。声は男性っぽい。「……ぜんぜんリアクションないですね」。そこでようやく生徒たちから笑いが起こる。「見た目と声のギャップでだいたい笑ってくれるんですけど、
「私の性別は?」灘校生がトランスジェンダー女性から学ぶセクシュアリティ
【ルポ・男子校の性教育】複雑なものはそのままに、だから自由になれる
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