四つに組んでの力比べは、人間の本能といってもよく、古来世界各国で相撲によく似たスポーツが行われていた。 相撲の始まりとして最も知られているのは、日本書紀に記載されている野見宿禰(のみのすくね)と当麻蹴速(たいまのけはや)のバトルだ。垂仁天皇7年に当時、大和の国で最強を誇る当麻蹴速が、出雲一の強豪・野見宿禰を呼び寄せ、対決した。 この最強決定戦は、宿禰が蹴速のわき腹をけり、あばら骨を踏み折って殺す壮絶な結末となっている。現在の相撲とは異なるルールなしの死闘と言ってもいいが、勝者である宿禰は、現在でも相撲の祖神として祭られている。もちろんこれは歴史上の事実として確認できるものではない。 相撲は古代