ロシアの高校に通う第11学年――年齢で言えば17歳前後――の生徒たちは9月から現代史の授業で新しい教科書を使用する。 現在までの出来事をカバーする本であるため、「ウクライナは超国家主義の国だ。今日のウクライナでは、反体制派はいずれも激しい迫害を受ける。野党は禁止され、ロシア的なものはすべて敵対的と見なされる」と教わることになる。 クレムリンの世界観に完全準拠したこの教科書は次のようにも説く。「米国はウクライナ紛争の最大の受益者になった・・・米国は『ウクライナ人の最後の1人まで』戦う決意でいる」 不愉快な教科書だが、これはウラジーミル・プーチンの権力掌握から23年にわたってロシア社会が浴びてきた