そう約束していた濵井(はまい)德三さん(88)は、7月中旬に帰らぬ人となった。 6日に平和記念式典が開かれる、広島市中区の平和記念公園。そこは、1945年8月6日午前8時15分までは、広島屈指の繁華街だった。一角にあった理髪店の次男坊だった濵井さんは、78年前の今日、両親や兄姉を原爆に奪われた。疎開先にいて無事だった小学5年生の濵井さんは家族でただ一人、残された。翌々日、親戚に連れられて爆心直下の自宅周辺に行った。枕木に火が残る電車道を歩いた。川の中には無数の遺体が浮かんでいた。自宅は焼け落ちていた──。 映画館やカフェ、ビリヤード場、食堂など商店が立ち並ぶ街のあちこちでイタズラをして回った悪