中国で2014年に制定された「反スパイ法」(中国名:反間諜法)は、今年(2023)4月に法改正が行われ、7月1日施行された。「反スパイ法」をめぐっては、スパイ行為の定義について曖昧だと指摘され、国際社会からは法律が恣意的に運用されるおそれがあると懸念が示されていた。 今回、改正された法律ではスパイ行為の定義が拡大された。 これまでの「国家の秘密や情報」に加えて「国家の安全と利益に関わる文書やデータ、資料や物品」、すなわち産業秘密(営業秘密)を盗み取ったり提供したりする行為およびサイバースパイ行為が新たに取締りの対象になった。 ところで、習近平氏がトップに立って間もない2014年11月に「反スパ