昨年来の巷説に反し、ドル/円相場は年初来高値圏で推移している。この原因をどこに求めるかは識者により見方が異なるが、筆者は一貫して円相場を取り巻く基礎的需給環境の変化から目を逸らすべきではないという立場を続けている。 この点は過去の寄稿を通じて、執拗に論じてきたので今回は詳述しない(例えば、直近では『終わらない円安基調の正体、過去高水準「日本に戻ってこない円」をどう見る?』などをご参照頂きたい)。 需給環境と言った場合、象徴的には国際収支統計を軸に議論を展開するのが基本だが、家計の金融資産構成の動きに着目する価値も大きい。 周知の通り、日本の家計金融資産は2000兆円にも及ぶため、多少の構成変化