かつて英国のウインストン・チャーチル首相は言った。「民主主義は最悪の政治形態である。ただし、他に試みられたあらゆる形態を除けば」。1時間の記者会見の間、この言葉が時折、脳裏をよぎった。 誰の会見かと言えば、6月8日にFCCJ(日本外国特派員協会)で行われた柯文哲(か・ぶんてつ)台湾民衆党主席のものだ。柯主席は、来年1月13日に実施される、「ポスト蔡英文(さい・えいぶん)」を決める次期総統選挙への出馬を表明している。 台湾では、次期総統を目指す政治家が、アメリカと日本に「顔見せ」にやって来ることが、習慣となっている。一般に台湾の政治家は、台湾の外交上、世界で一番重要なのはアメリカで、アジアで一番