満を持して、「本命」が表舞台に登場してきた。来年1月に行われる台湾の次期総統選挙で、野党・国民党の公認候補に選出された侯友宜(こう・ゆうぎ)新北市長(65歳)である。 5月17日、国民党の朱立倫(しゅ・りつりん)主席は、党内部で行ってきた「徴召」(公認総統候補の選出)の結果を発表。「科学的調査」に基づき、侯友宜候補の方が、もう一人の候補者である郭台銘(かく・たいめい)ホンハイ(鴻海精密工業)前会長(72歳)よりも「勝てる候補」だと説明した。 指名を受けた侯市長は、党幹部を前に、いつもの訥々(とつとつ)とした調子で、公認候補としての所信表明を行った。「私が出馬するのは、国家の栄光と台湾の繁栄を得