「国が極秘に管理する巨額の資金を提供できる」――企業経営者らにこんなふうに持ち掛け、手数料等の名目で金銭を騙し取る、いわゆる「М資金詐欺」。荒唐無稽とも思えるような詐欺話だが、これまで数多くの被害者を生んできた。 しかも被害者の多くは社会的地位のある人物が多く、体面を気にして、被害が語られることはこれまで稀だった。それだけに、ここでレポートする3月22日に横浜地裁で判決が下された裁判は、М資金詐欺の内幕が見える貴重な機会となった。ただ、一方で裁判は迷走し、「主犯はどこへ?」という仰天の結末となったのであった。その一部始終をお伝えしよう。 飲食大手コロワイド(東証プライム上場)の蔵人金男会長(75