それこそギョッとした。いや、ひっくり返りそうになったと言うべきかもしれない。 ドイツの東南端に位置し、ポーランドに国境を接するゲルリッツという街で地図を見たときのことだ。その地図の写真をまずはご覧いただきたい。 地名がすべてドイツ名になっているのでわかりにくいかもしれないが、これはドイツ語で「シュレージェン」と呼ばれる地方を1つに収めたものである。ゲルリッツから東へ細長く伸びるこの地域は、今現在はほとんどがポーランド領になっている。ポーランド語では「シロンスク」と呼ばれる地域だ。 この地図は、宿泊先の入り口の内壁に堂々と掲げられていた。ゲルリッツはポーランド人観光客も少なくない。それなのに、ポ
こんな地図を掲げて大丈夫?ドイツで触れてしまった領土への“複雑すぎる”感情
ことあるごとに国境が移動するヨーロッパの歴史と宿命
2023.2.11(土)
平井 敏晴
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