日本語で「腐っても鯛」ということわざがあるが、中国語にも似た言い回しで、「痩せ死んだようなラクダでも馬よりは大きい」(痩死的駱駝比馬大)という言葉がある。今回、台湾政界で起こった「重要人事」を見るに、この比喩が思い浮かんだ。 すなわち、ラクダとは蔡英文総統、馬とは頼清徳副総統(民進党主席)である。台北の「宮廷」で、いったい何が起こっているのか? まず、この2カ月前の台湾政界の「激震」を、おさらいしておこう。11月26日に行われた統一地方選挙で、蔡英文総統(当時は与党・民進党主席でもあった)率いる民進党は、台湾全22地域の首長選のうち、「5勝17敗」と大敗を喫した。これにより同日夜、「敗戦投手」