1920年代、西洋絵画の技術を吸収しようと意欲に満ちた日本人画家が次々に海を渡った。特に芸術の都・パリは画家にとって憧れの地で、20年代のパリには数百人の日本人が暮らしていたという。だが、ほとんどの画家は作品の買い手がつかず、失意とともに帰国。そんな中、佐伯祐三は高い評価を獲得し、パトロンや画商にも恵まれた。スーパースターへの道を歩んでいた矢先、1928年、30歳にして病死してしまう。「そんな生涯から佐伯は“悲劇の画家”と呼ばれ、その短い人生にスポットを当てた展覧会が多く開催されてきました。だが、今回の展覧会ではストーリーよりも作品自体に注目。佐伯の表現が変化していく過程を探っていきます」と、