31歳、放送作家となって9年目の長﨑周成さんは、「気鋭の」とか「次世代の」といった冠をつけられがちな、今、最も注目を集めるクリエーターのひとりだ。となればこの本も、「人気YouTubeチャンネルの仕掛け人が明かす仕事術」的なビジネス書かと思いきや、そんな単純なものではない。 学生芸人として夢を抱いて大阪から上京してきた青年が、挫折し、放送作家として再び立ち上がり、「泥水を泥水と思わず、『いつかうまくいく』と信じてがぶがぶ飲んで」、売れるために挑戦を続けていく姿とともに、ものすごく具体的な仕事術が描かれた、エンタメ要素あふれる生き生きとした読み物になっているのである。「カリスマと崇められる人たち