為替市場では政府・日銀による政策対応への思惑が高まりつつも、ドル/円相場は基本的に年初来高値圏で推移している。こうした状況下、改めて「どうすれば円安は止まるか」という点に関して世の問題意識が高まっているように感じられる。 現下の円安を「円売りではなくドル買い」ともっともらしく説明したい向きが目立つが、名目・実質実効双方のベースで円相場の下落は他通貨対比で突出しており、すべてをドル側の要因で説明しようとする態度に筆者は賛同できない。 図示すれば一目瞭然だが、今年に入ってからの円相場の動きは「底割れ」と言って差し支えない(図表①)。ドル全面高には違いないが、ここまでの動きを強いられている通貨は他に