既報の通り、欧州中央銀行(ECB)は7月21日の政策理事会で、一部加盟国の利回り高騰(域内金融市場の分断化現象)を念頭に伝達保護措置(TPI:Transmission Protection Instrument)の導入を決定した。ユーロ圏にはドイツのような財政健全国と脆弱国が存在しており、単一通貨圏内の中で金利差が拡大する「分断化」が起きている。円滑な金融政策の妨げとなる「分断化」に対応するための措置である。 今回のTPIにより、流通市場において当該国の国債や地方債を際限なく購入できることに一応はなっている。「一応は」と枕詞を付けたのは、TPIの発動条件が余りにも厳格であり、金融市場では「恐ら