岸田政権の林芳正外相が7月末、米国ワシントンの研究機関で日本の外交・戦略政策について演説した。インド太平洋での国際秩序を侵す中国に、日本がどう対応するかを主眼とするはずの演説だった。だが、林外相は中国への批判を徹底して避け、日中間の「協力」と「対話」を強調する対中融和の主唱に終始した。 米国の国政の場では、ペロシ下院議長の台湾訪問計画に中国側が軍事的な威嚇を発したことへの反発が高まり、バイデン大統領は習近平国家主席との電話会談で中国のウイグルでの人権弾圧に抗議したばかりである。しかし、林外相はこの演説で「中国の国内情勢は論じない」と言明して、中国側の人権問題などには一切触れない態度を明確にし、
中国批判を一切口にせず、林芳正外相の奇妙な「対中忖度」演説
岸田首相とバイデン大統領の合意はどこへ?
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