このご時世、暴力団も楽じゃない。暴排条例、コロナ自粛でシノギを奪われている。才覚ある組織はフロント企業などに移行してリスキーなシノギを敬遠する一方、そうした能力の無い組織は、リスクの高い薬物の取引などをシノギとする以外に生き残る道がない。そんな状況だから、刑務所に収監されている暴力団員の間では、離脱を真剣に考える者が増えていると矯正関係者から聞いた。だが、これまでに話を聞いた暴力団離脱者の中には、離脱しても更生しきれず、再び犯罪社会に戻る者も多い。