イタリアと言えば、ファッション産業の中心地で、世界中で愛される高級ブランドをいくつも抱える、きらびやかなイメージの国です。歴史を遡れば、中近世にはルネサンスを経験し、のちのヨーロッパ文化の礎を築いたことでも知られます。また、イタリアでは金融業、毛織物業などが発展していました。香辛料貿易で繁栄したことも知られています。このように、昔からイタリアは非常に発展した豊かな地域だったとのイメージを持たれがちです。しかし、実は中近世のイタリア経済にはそれほど大きな力はなく、近代世界を形成する大きな支柱とはなりえませんでした。