わたしが中島みゆきを聴きはじめたのは40歳をすぎてからである。ただ適当な詞を書いて、適当な曲をつけて、適当な声で歌って、はい一丁上がり、といったものとしか思えない凡百の歌とはちがって、彼女の歌は声・詞・曲ともに超越していたのである。