本稿では、14世紀前半に始まった黒死病第二波の経験から、我々に参考となるのではないかと思うものを取り上げてみたい。筆者は感染症学者ではなく、中世欧州を対象とする歴史学者でもないので、あくまで当時の記録やそれを基にした資料などを読んだ経験からのものである。