わたしはひとりの少年を知った。福島県須賀川市の大平空河(くうが)君という少年である。かれは今年3月、13歳で亡くなった。わたしがまいってしまったのは、空河君の静かさである。かれは自分の気持ちを出さず、自分のことをいわないのだ。