東京・三宅坂の国立劇場で行われた9月の文楽公演は、連日「満員御礼」の札が掛かる大盛況だった。公演の目玉は、人形遣い五世・豊松清十郎の襲名披露。清十郎が師匠の当たり役でもある「本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)」の八重垣姫を遣い、演目の合間には重鎮たちが紋付袴姿で舞台上に勢ぞろい。