現在、浅草には老舗と呼ばれるてんぷら屋がいくつも軒を連ねている。その多くは、黒っぽい天丼がウリだ。こってりと胡麻油で揚げ、濃い醤油のつゆをしっかりしみ込ませた熱々の天丼。そこには、かつて江戸の街をにぎわしていた屋台の風情がしっかりと息づいていたのだった。