昼寝、エクササイズとご紹介してきましたが、もう少し体を動かしたい、外の空気を吸いたい!という方におすすめなのが「ウォーキング」です。
厚生労働省でも、1日の運動所要量として8千〜1万歩のウォーキングをすすめています。会社の行き帰りだけでは、なかなかそこまでいかないもの。そこでお昼休みにリフレッシュを兼ねてウォーキングしてみるのはいかがでしょう。
ウォーキングは、他の運動と違って、いつでもどこでも気軽にできる運動です。
しかも、着替えもいらず、特別な準備も場所も必要としません。
エクササイズ編でご紹介したコナミスポーツの井関さんも、ジョギングなど負荷のかかるスポーツをいきなり始めるよりは、膝への負担が軽いウォーキングから始めることをおすすめしていました。
厚生労働省が2006年にまとめた「健康づくりのための運動指針2006」でも、「いつでも、どこでも、楽しく歩こう1日1万歩(1週間7万歩!)自分に合った運動でいい汗かこう、週合計60分!」と謳われています。
では、実際にどのような歩き方が良いのでしょうか。
ウォーキングのポイントとして、厚生労働省が推奨しているのは、次の8点です。
① 頭は揺らさず、しっかりと
② 目線はまっすぐ(あごを軽く引いて15mくらい先を見る)
③ 呼吸は自分のリズムで
④ 肩の力を抜いてリラックス
⑤ ひじはやや曲げて、腕を大きく振りましょう
⑥ 腰の回転で歩幅を広げて
⑦ 膝を伸ばしてかかとから着地(こうすると、歩幅が広がります)
⑧ しっかり大地をキック(つま先で大地をしっかりキック!が大事)
といっても、8つ全部を気にしていたら、なかなか思うように歩けなかったり、続けるのが嫌になったりしてしまいがちです。
楽しくちょっとした時間を見つけて歩くこと、歩行は連続していなくても構わないので、1日の合計が1万歩になるよう目指すことが大切としています。
あまりに真剣に取り組みすぎて、呼吸することを忘れてしまったり、3日坊主になってしまったり…などということのないよう、楽しんでウォーキングをしたいものです。
より本格的にウォーキングをしてみたい、という方に、理想とされる歩幅などをご紹介しましょう。
①理想的な歩幅 身長-100cm
②理想的なテンポ 1分間に120歩(1秒に2歩)
③理想的な目線 10〜15m先を見る
④理想的な呼吸 「吸う、吸う、吐く、吐く」吐くことに意識したほうが、体内に送られる酸素量が増えるため、血液循環が良くなると言われています
⑤理想的な腕の振り方 肘を90℃に曲げて、身体に沿って平行に大きく後ろに引く
これはあくまでも、より本格的に取り組みたいという方向けですから、最初はとにかく楽しむこと、呼吸をリズムカルにすることを心がけてみましょう。
今回は、昼休みを利用してウォーキングをしているというAさんに同行して、一緒にウォーキングをしてみました。
Aさんがウォーキングをする時は、オフィスからなるべく遠くのお店までランチに行くと言います。近くのお店は行き尽くした感があり、遠出をするようになったのがきっかけとか。
そんなAさんのお供は「万歩計®」です。自分がどのぐらいの距離を歩けたか、何歩いったか、など日々ゲーム感覚で楽しんでいるといいます。
オフィスからちょっと歩いた所には、運河に面した遊歩道があります。まだ昼休み開始直後とあって人もまばらです。
近場のランチ場所は行き尽くした感があり、遠出をするようになったのがきっかけで始まったAさんのウォーキング。最初は、時間配分が大変だったといいますが、今は余裕の表情。遊歩道や公園での散策を楽しみながらのウォーキングはちょっとした小旅行気分が味わえます。さて、今日の歩数はいかに!?
途中、カモとおぼしき鳥がテトラポットの上で羽根を休めていたり、小ガモが丸まっていたりするのを眺めながら、風景もたっぷり堪能。 潮の香りを楽しみながら、ゆったりと大股に歩いていきます。多少の起伏もあって、なかなか良い運動です。
↑この日のランチ場所「すき家」に到着。歩いた分のご褒美として、好きなものを食べられるのも楽しみだとか。
夏季限定の人気メニュー「うな丼」を注文!
遊歩道を離れ、少し歩くと、また通りに賑わいが出てきました。ここで今日のお昼ご飯。今日はすき家で、夏にピッタリの「うな丼」を頼みます。
冷房がほどよく効いた店内で、「うな丼」を頬張りながら、小休止。
注文してから出てくるまでの時間が短いこと、おいしいこと、種類も豊富でいろいろ選べることから、ウォーキングをする時はよく利用するのだとか。
←涼を感じられる
運河沿いの遊歩道
万歩計®で、どのくらい歩いたかをチェック。↑
こうすると、モチベーションもより保てるといいます。
昼食を堪能したら、腹ごなしと午後の仕事に向けて、もうひと歩きです。行きと同じ道を通っても良いのですが、Aさんは別の道を選択。 途中で新幹線が通るのを見たり、公園の緑に目を休めたり、都心ながらなかなか歩き甲斐のある道のりです。
←信号待ちの間に軽くストレッチ。
体を伸ばして午後のデスクワークに
備えます。
←林立するビル群を眺めつつ、行きとは別の公園へ。
バラなど、季節の花も楽しめる。
Aさんが使っている万歩計®は、歩いた距離だけ日本地図が完成していくので、万歩計®はちょっとずつチェックしないようにして、達成感を得ているのだとか。
また、昼休みという限られた時間内でオフィスまで戻ってこなければならず、必然と早歩きに。途中の信号待ちでは、体を伸ばしたりして、軽くストレッチを行うことで、デスクワークで凝り固まった体をほぐすことも忘れません。
たっぷり1時間、昼休みを堪能したAさんは、さっぱりした顔で午後の仕事に向かっていきました。
今回、Aさんがウォーキングのお供として使っていた万歩計®。実はこの万歩計®の考案は、レオナルド・ダ・ヴィンチなのだそう。
現存する考案図をもとに1712年にフランスで製作されたものが最古とされています。
日本では、江戸時代中期の博物学者、平賀源内が作った「量程器」が日本で現存する最古の歩数計とされています。
その後、伊能忠敬が足かけ17年をかけて全国を測量し大日本沿海輿地全図を完成させた際に用いたのが「量程車」でした。
それを万歩計®として開発したのが、山佐時計計器株式会社です。開発のきっかけとなったのは、1963年(昭和38年)のことです。
当時、自動車が普及するなど生活が便利になり、国民の運動不足が問題になり始めたころだったといいます。
医師やジャーナリストが当時提唱していた「1日1万歩歩きましょう」(1日1万歩運動)を国民運動にするため、万歩計®の開発依頼を受け、スタート。
約2年の開発期間を経て、東京オリンピックの翌年、1965年(昭和40年)に消費財としては日本初の「万歩メーター」が誕生したのです。
Aさんが使っていたのは、この山佐時計計器株式会社が発売する“伊能忠敬の弟子になって日本地図を作る万歩計®「ゲームポケット万歩 新・平成の伊能忠敬®〜歩いてつくろう日本地図!〜」”です。
万歩計上で海岸沿いを歩いて日本一周をすると日本地図が完成するというもの。
都道府県別に、現在の歩いている位置や次の都道府県までの距離を表示してくれるので、ゲーム感覚で楽しめます。
他にもさまざまな機能をもった万歩計がたくさん発売されています。
山佐時計計器の山田譲二さんにお話を伺ったところ、同社ではパソコンなどに通信できるタイプの万歩計を使っている社員さんも多いとか。
サイト上で競争できるため、お互いの励みになっているそうです。
長期間、モチベーションを保つのに一役買う万歩計、ウォーキングのお供にしてみてはいかがでしょう。
↑歩数計はレオナルド・ダ・ヴィンチが設計図を書き残し、のちにそれが製品化された。
↑平賀源内が作った「量程器」日本で現存する最古の歩数計とされている。
↑1965年(昭和40年)に誕生した日本初の「万歩メーター」
“伊能忠敬の弟子になって日本地図を作る万歩計®
「ゲームポケット万歩 新・平成の伊能忠敬®〜歩いてつくろう日本地図!〜」”
※歩数計の代名詞「万歩計」は山佐時計計器株式会社の登録商標です。
昼寝だけ、エクササイズだけ、というのも良いですが、ご自身の体調や天候に合わせて、今日は昼寝、今日はウォーキング、と組み合わせてもいいかもしれません。
大切なのは、義務感ではなく、楽しみながら行うことです。お一人ではなく、同僚を誘うなど、楽しく長く続けられる方法を探してみるのも良いかもしれません。
特にエクササイズやウォーキングは、一人で黙々と取り組んで、肝心の呼吸を忘れていた、ということも起こりがち。仲間がいれば会話をしながら行えるので、呼吸も自然にできておすすめです。
あっという間に終わってしまう昼休み、どうぞ有効に活用してみてください。